家と財産を守るための〜不動産の相続対策
家と財産を守るための〜不動産の相続対策
文書作成日:2022/02/20


 相続した実家を売却する時に、被相続人が自宅で亡くなったことを告知する義務はありますか?




 居住する親族がいないため、父から相続した実家を売却することにしました。私が相続する前は父が一人で住んでいましたが、持病の悪化により実家で亡くなりました。このような事実は、不動産業者や購入される方に説明したほうがよいのでしょうか?




 お父様がご自宅(実家)で死亡された事実が、国土交通省が公表したガイドラインに照らし合わせて“告げなくてもよい”ケースに該当すれば、告知義務はありません。ただし、不動産業者や購入される方などから質問があった場合には、事実をお伝えする必要はあるかと思います。



1.不動産取引に係る告知義務

 宅地建物取引業者(以下、不動産業者)を介して取引を行う場合、対象不動産に関する重要な事項については、「重要事項説明書」によって不動産業者から説明を行うことが法律で義務付けられています。

 また国土交通省の指導により、この重要事項説明書に加えて対象不動産に関する告知を行うことが望ましいとされており、「物件状況告知書」等の書面を交付することが一般的となっています。

 この「物件状況告知書」等の書面は、買主の重要な検討材料とするために交付されており、売主が対象不動産について知っている瑕疵や事実を項目ごとに告知(記載)します。

2.物件状況告知書に記載する瑕疵や事実

 「物件状況告知書」等の書面に記載等する瑕疵や事実は、次の2種類に分類されます。

(1) 物理的瑕疵

 立地が極端な場所、間取りが特殊で使い勝手が悪い、住宅として欠陥がある等、対象不動産に関して物理的な問題となる要因があること。

(例.住宅が崖地に存在している、地盤が極端に弱い、接面及び近隣の道路が全く舗装されていない、など)

(2) 心理的瑕疵

 対象不動産で自殺や事故死があった事実など、心理的なマイナスイメージに繋がる要因があること。

3.ご相談のケースの場合

 ここで問題となるのは、ご相談の「お父様がご自宅(実家)で死亡された事実」が、上記2(2)の心理的瑕疵に該当するか否かです。

 この点については、国土交通省が2021年10月8日に公表した「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」が参考になるでしょう。

 このガイドラインによれば、人の死に関する事案は買主の判断等に重要な影響を及ぼす可能性があることから、原則としてこれを告げなければなりませんが、告げなくてもよい場合について、次のような一定の基準が定められています。

(売買取引において“告げなくてもよい”例)
  • @取引の対象不動産で発生した自然死・日常生活の中での不慮の死(転倒事故等)
  • A取引の対象不動産の隣接住戸・日常生活において通常使用しない集合住宅の共用部分で発生した@以外の死、特殊清掃等が行われた@の死

 ご相談のケースが@に該当する事案であれば、心理的瑕疵として取り扱うことなく不動産業者へ告知する必要はありません。

 ただし、不動産業者又は買主(購入検討者を含む)から親御様がお亡くなりになった場所について質問があった場合は、事実をお伝えする必要があるでしょう。

 相続に関するご相談は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。


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