家と財産を守るための〜不動産の相続対策
家と財産を守るための〜不動産の相続対策
文書作成日:2018/06/20


 相続開始前3年以内に貸付を開始した土地であっても、相続開始前3年を超えて事業的規模の貸付が行われている場合には、小規模宅地等の特例が適用されます。




 不動産貸付が事業的規模に満たない場合、小規模宅地等の特例の適用要件に改正があったと聞きましたが、その改正の内容と事業的規模について教えてください。




 平成30年度税制改正により、原則として、相続開始前3年以内に貸付を開始した貸付事業用の宅地等が、小規模宅地等の特例が適用できる「貸付事業用宅地等」から除外されることとなりました。ただし、この改正については、一定の適用除外要件があります。事業的規模の要件を含め、以下「詳細解説」にて説明いたします。




1.改正の内容

 被相続人等が貸付事業の用に供していた宅地等が小規模宅地等における貸付事業用宅地等に該当する場合、相続税の計算において、その相続税評価額から200uまでの部分を50%減額することができますが、平成30年度税制改正により、相続開始前3年以内に貸付を開始した宅地等については、対象から除外されることとなりました。
 この改正は、平成30年4月1日以後の相続・遺贈から適用となります。改正の狙いは、相続発生前に、一時的な賃貸目的で都心のタワーマンション等を購入し、本特例を適用して相続税負担を軽減する事案への対策であると考えられ、その証拠に、相続開始前3年を超えて事業的規模で貸付事業を行っている場合(注)は、改正の適用外とされています。なお、経過措置として、2021年3月31日迄に発生した相続においては、平成30年4月1日以後に新たに貸付事業の用に供されていた宅地等を除くと読み替えるものとなり、改正前に既に貸付けられていた宅地等については事業的規模の判定に関わらず、貸付事業用宅地として特例の対象となります。

  • (注)相続開始前3年を超えて引き続き行う「貸付事業」は、貸付事業のうち準事業(事業に称するに至らない不動産の貸付その他これに類する行為で相当の対価を得て継続的に行われるもの)以外のものと定義されています。(平成30年4月1日施行租税特別措置法施行令40条の2第1項、16項)。

2.事業的規模

 事業的規模の判断は、原則的に社会通念上事業と称するに至る程度の規模で行われているか否かによって実質的に判断します。建物の貸付については、所得税法関連規定において、次のいずれかの基準に該当すれば、事業として行われているものとするとされており、これに準ずるものと考えられます。



 土地や駐車場の貸付については、明確な基準は存在しませんが、建物の上記基準を参考に、貸地は5件を1室、駐車場は5台を1室と判定されているともいわれています。従って、貸地又は駐車場のみで事業的規模と判定されるには、50件又は50台以上が必要ということになります。ただし、これらは目安に過ぎず、最終的には、有償性、反復・継続性、リスク負担、取引の目的等々を考慮した実質的な判断で事業的規模の判定がなされます。

 なお、不動産貸付が事業的規模に該当する場合、所得税の不動産所得金額の計算において、下記の取り扱いが可能となります。



 また、上記と同一基準ではありませんが、貸付事業を事業的規模で行う場合、個人事業税が課税されることがあります。


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