作成日:2016/07/05
相続税が課税される名義預金とは



文書作成日:2016/07/05

 名義預金として相続税が課税されないポイントを教えてください。




 相続税の計算の際に、亡くなった人以外(例えば子や孫)の名義となっている預金でも相続税が課税される場合があると聞きましたが、どのような場合でしょうか?また、このような課税がされないためのポイントを教えてください。




 いわゆる「名義預金」と呼ばれる財産がそれに当たります。
 亡くなった人の金銭を子や孫の名義の口座に預け入れている場合、その子や孫名義の預金を名義預金といいます。ポイントは、名義預金は名義人の財産ではなく「亡くなった人の財産である」という点です。

 以下に、名義預金と認定される場合のポイントを、いくつかご紹介します。  




  1. 通帳や印鑑、キャッシュカードなどの保管管理は誰が行っていますか?

     通常は、名義人本人が通帳、印鑑、カードなどを保管し、本人が必要とするときにいつでも解約、引出が可能です。
     一方、名義人本人ではなく亡くなった人が通帳等を保管しており、預金の引出などを亡くなった人が自由にできるような場合は、どうでしょう。これを名義人本人の財産だといえるでしょうか?
     このような場合で名義預金と認定されないためには、なぜ亡くなった人が子や孫名義の口座の通帳等を保管し、自由に使えるようにしていたのか、その口座へは誰のお金を入金したのか、などについて税務署が納得するような理由が必要です。

  2. 亡くなった人の届出印と同一の届出印になっていませんか?

     名義人本人が口座開設を行った場合には、通常は自分の印鑑で届け出をします。もし亡くなった人と同一の印鑑で口座開設を行っていれば、印鑑は亡くなった人が管理し、預金の引出などを自由にできる状態であった、というように想定されます。
     したがって、なぜ同一の印鑑で届け出を行ったのか、その口座へは誰のお金を入金したのか、などについて税務署が納得するような理由が必要です

  3. 過去に贈与を受けた事実はありますか?

     贈与は、あげる側の「あげましょう」という意思ともらう側の「もらいましょう」という意思、両者の合意があって初めて成立します。もらう側がその事実を知らなければ、贈与は成立しません。
     名義人は、その預金口座の存在を知っていますか?贈与税の申告は行われていますか?
     贈与を行う場合には、必ずもらう側(子や孫)へも通知しましょう。

<まとめ>
 子や孫の名義の口座が名義預金と認定されないために、次の点に注意しましょう。

  • 通帳や印鑑の管理は、名義人で行いましょう。
  • 贈与を行った場合には、贈与の事実を証明する証拠を残しておきましょう。
    (贈与契約書の作成、預金口座への振込み、贈与税の申告など)
  • 贈与を受けた側は、自分名義の預金がどの金融機関、どの支店にあるのか、正確に答えられるようにしておきましょう。
  • 住所移転、氏名変更などは、その都度行うようにしましょう。
    (実家の住所のまま、旧姓のまま放置しておかないように)

 

 

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